秋口、春先、梅雨前、梅雨明けに多いのが寝違えです。同時に腰の寝違えともいえる筋肉性のぎっくり腰も多いです。
不思議に思われるかもしれませんが、本当に寒い真冬とかは意外と寝違えとかぎっくり腰は起こらないものなんですよ~。
寝違えの時にやってはいけない3つの過ち
「あれ?首が痛い!寝違えかも?」って時にやりがちだけどやってはいけないことが3つあります。
- アイシング(冷やす)
- ストレッチ(伸ばす)
- マッサージ(揉む)
「え?むしろやってたけど!」
実際に朝起きた時点ではそれほどひどくなかったけど、この3つのどれかをやって急激に悪化させてしまった人もたくさんおられるんです。
そもそも寝違えって何?
寝違えとは首から肩にかけての筋肉や靭帯に急性の炎症が起こる状態をいいます。
寝ているときの姿勢が筋肉や靭帯に負担をかけて起こるといわれ、不自然な姿勢、身体の冷え、疲労、急な動作による負荷、年齢に伴う老化などが原因だと言われています。
しかし「寝違えは筋肉や靭帯の急性の炎症」といわれていますが、実際に寝違えを起こした人で本当の炎症反応(組織が傷つくことで赤み・熱・腫れ・痛みがでている状態)が起こっていることはまれなんですね。
寝違えって首に何が起こっているの?
たとえばあなたが誰かに急に腕を引っ張られたとします。
するとそっちに身体が持って行かれないように反射的に腕を引き返しますよね?
それと同じで、筋肉にも急に伸ばされると千切れるのを防ぐために反射的に収縮する機能が備わっています。
この作用は通常は
引き伸ばされる → 収縮する → 正常に戻る
という反応をしますが、まれに過剰に反応して、
引き伸ばされる → 収縮する → 収縮する → 収縮する
と収縮のループに陥る場合があるんですね。これをγゲインというのですが、この時にスパズム(攣縮)といって強烈な痛みを発する場合があるんですね。
スパズムがおこりやすい5つの状況
で、この伸ばされたら反動で収縮するって反応と反応しすぎて収まらないって現象が起こりやすいのが次の状況なんです。
- 冷え
- 疲労
- 睡眠不足や水分不足
- 不自然な姿勢による負担
- 急な動作による筋肉の伸張
ご覧の通り、一番初めに起こりやすいといった時期に首に寝違えが起こる条件にぴったり合致しているんですね。
例えばこの記事を書いた秋口ですと…
夏の疲れが溜まっている+少し涼しいので水分補給を怠る+現代人は慢性的な寝不足+寝る前はまだ暑いので首元の開いた服装でベッドに入る → まだ寝苦しくて変な恰好で寝入る。場合によって着ていたシャツを一枚脱ぐ → 朝方冷え込む → 寝返りを打ったはずみで寝違え
なにかなるべくしてなったことが良くわかりますね。
寝違えの時にやるべき3つの事
では寝違えを起こしたとき、何をすべきでしょうか?
先ほど述べた「寝違えの時にやってはいけない3つの過ち」の逆をやればいいんです。
1.冷やさない。温める。
一般的に炎症を起こしているときは患部を温めてはいけません。余計症状が重くなります。
しかし、実際に数々の症例を見てきた経験では、寝違えで炎症を起こしている事ってまずないです。
熱を持ってたり、腫れていたり、ジンジンした痛みがあるときは炎症を起こしている可能性がありますが、それ以外の場合は冷やさないか温めるのが効果的です。
とりあえず温めてみて、もし痛みが増すようであれば、その痛みの強い部分だけアイシングすればいいです。
蒸しタオルを首に巻いて温めたり、マフラーやタオルを首に巻くだけでも結構ちがいます。時間に余裕があるならお風呂に入って温めるのもいいですね。
結構それだけで楽になる方が多いです。
2.ストレッチはやっちゃダメ。
結構多いのが、「朝はね、まだそれほどひどくなかったんでしっかりとストレッチやったんだけど…。段々痛みが増してきたんです~。」って話です。
先ほど説明した通り、寝違えって筋肉が急に伸ばされて起こってしまうので、その筋肉をさらに伸ばそうとすると余計に症状が悪くなる場合が多いんですね。
ですのでストレッチで硬くなった筋肉を伸ばすのは禁物です。
3.自己流でマッサージしない。
硬くなっているから揉みほぐせばいい。
と思って一生懸命揉みほぐしてますます悪くなってしまう人も多くおられます。
マッサージっていうのは血行不良で硬くなって痛みを出している筋肉には効くのですが、寝違えはそういった単なる肩こりとは違うんですね。
先に言った通り、筋肉にある安全装置が誤作動を起こしている状態なのでその安全装置のスイッチをリセットしてあげる事が大事なんですね。
マッサージで刺激が入れば入るほど、余計にスパズムがひどくなる場合があるので適切に対応しないといけないのです。
自分でできる寝違えセルフケア
先ほど言った通り、ストレッチで筋肉を伸ばすと余計に悪化します。むしろ逆に意図的に筋肉を縮めた状態にもっていった方が早く良くなるんですね。
例えば首から左の肩甲骨に向かって寝違いが起こったとしましょう。
その場合、通常右前に首を倒して筋肉をストレッチしようをするのですが、それよりも左後ろの方に頭を傾けてあげます。
その上で痛くなってる筋肉を触ると、その中でも特に硬くなっている所が見つかります。
そこに指先で軽く触れながら、先ほどのように筋肉が縮む方向に頭を持っていくと、その硬さが少しましになるんですね。一番硬さが弛むポジションで1~2分置くと少し楽になりますよ。
この時にその硬くなっているところを揉みほぐしたり、ぐりぐり押してはだめです。
指を置いている程度か、ほんの少しだけ押してあげる程度で十分です。
それを何回か繰り返すと、寝違えの筋肉の痛みが少しましになると思います。
あんまり熱心にやり過ぎてもダメなので少しやって、しばらく様子見て何回か繰り返してみてくださいね。
とはいっても自分ではなかなか完全に解消しない場合があります。
その際はお早目にあすとらむにお越し下さいね!