先日ご来院のクライアント様。
前回から引き続き股関節を開くと痛みが出るとの事。
通常一回施術すれば治まるはず。なのに前回と全く同じような状況に戻っていました。
実際に仰向けで足を持ち上げ、股関節を開排(カエルの脚のように広げること)をすると、太ももの内側にハリが出て、つけねに痛みが生じてます。
これは… きっとやらかしてますな…
「なんか、股関節を開くようなこと、してませんか?」
「ええ、プールで水中エクササイズをやっていて、股関節を大きく廻すメニューがあります。」
「なんのためにそのメニューはあるんですかね?」
「股関節の柔軟性をつけるためだそうです。」
うん!
出た!
安直に柔軟性をつけとけばいいや的なエクササイズ。
「とりあえず、そのエクササイズ控えてみてください」と言ってからあまり股関節の不調を訴えることは無くなられました。
実はこの問題。
プロのダンサーやバレリーナ、講師をされてる人にも多くある問題です。
股関節を開くと痛いんです! → 開き過ぎるからです。
というパターン。
この「健康のためには身体の柔軟性をつける必要がある!」という神話は実は50年ほど前から何も変わらず、いまだに「ストレッチさえやっていればいい!」と公言するトレーナーさんもおられます。
関節には自在に動かないといけない「可動性」と身体を支えるための「固定性」の両方が必要なんですね。
たしかに関節の動きの悪さと筋肉の緊張による、身体の動きの悪さは身体の不調の原因となります。
しかしそれはストレッチ等でむりやり動かせば取れるというものでもないんですね。
なのにむりやりストレッチやエクササイズで身体の動きをつけようとすると「可動性」が上がる以上に、「固定性」を失う結果になるのです。
無理なストレッチは関節の安定性を失って、関節をグラグラにしてしまいます。
グラグラの関節を安定させるために、周りの筋肉はガチガチに固まるので、身体はどんどん固くなる。
それじゃ何をやっているのかわからないわけです。
またストレッチ等で筋肉をむりやり伸ばそうとすると筋肉に傷が出来ます。その傷は伸ばされるとさらに悪化するので、固く緊張します。
そうするとますます、身体が固くなる。そしてまたそれを無理にストレッチで伸ばす。
そうすると筋肉は正常な働きが出来なくなるので、さらに大きなけがをする原因となりかねません。
ストレッチをしてるのに身体が固い…
実はそのストレッチが身体を固くしているのかも知れません。
この時に大切なのは先に関節の動きの悪さとか筋肉のアンバランスを取ってしまう事です。
その上で、身体を動かしたり、筋肉を鍛えて行かないといけないのです。