先日ご来院のクライアント様。
椅子から立ち上がるときに、腰に痛みが走るとのこと、痛みの場所や特徴から「これは…」と思ってみてみると…
やはり、腎臓が硬くなっていました。
ではなんで腎臓が硬くなったんでしょう?
内臓調整で腎臓を緩めながら、原因を調べてみたところ、反応に出たのは『水』
「水分って摂ってます?」
「意識して摂ってます。」
「摂りすぎてもいませんか?」
「多いかも知れません… 最近、◯◯◯◯(結構有名なウォーターサーバーの会社)始めたんです。」
ああ、それかも…
なぜならそのメーカーの水はピュアウォーター(純水)。
RO水(あーるおーすい)とも呼ばれます。
RO(逆浸透膜浄水)はトリハロメタンやダイオキシン、農薬、水銀、放射性物質といった、普通のろ過機では取れない微細な物質も取り除けるという特徴があります。
その一方で、カルシウムやマグネシウム、亜鉛といったミネラル分もすべて取り除いてしまうんです。
ですのでRO水だけ飲んでいると、水から補給されるミネラル分も不足してしまうんです。
飲用のRO水はミネラルが全くないために、水としての美味しさもないのでカルシウムやマグネシウムを後から添加してあります。
しかし、実際にRO水を飲んでる人をみたり、自分で飲んでみたら思うのですが、やはり天然水(ナチュラルミネラルウォーター)には身体の調子は落ちる傾向にあるように思います。
たぶん、実際の水には様々なミネラルが溶け込んでいて、生物の身体はそれを前提に機能するようになっていると思われ、ミネラル添加のRO水ではそこまでは出来ないのではないかと思います。
あともう一点の問題は、RO水は「きれいすぎる」という事です。
洗濯でも食器でも、なんで「水で洗う」か考えたことありますか?
キレイな水にはそれ自体に汚れを溶かして引き離す、強い洗浄力があるからなんですね。
たとえば精密機械である半導体の基板などは少しの微細なチリやほこりで商品としてダメになってしまうので、RO水で洗います。
すごくきれいな水なので、洗剤を使わなくてもそれ自体で汚れを全部溶かして洗い流してくれるのです。これを『溶解性が高い』といい、溶解性が高く何でも溶かし込む水をハングリーウォーターというのです。
これは天然水の超軟水でもいえる事なんですが、RO水は飲めば飲むほど体内のミネラルが飲んだ水に溶けだして、それで汗をかいたり、小用をしていると、どんどんと身体の中のミネラル分が体外に流出していく可能性があるのです。
ミネラル添加されているRO水も実際を見ているとその傾向があるように思われます。
結論として
①飲むなら適度な硬度の天然水が良いと思われます。
②場合によってはスポーツドリンク、経口補水液を上手く利用するといいです。
③普段からの適度なミネラル摂取を心掛けましょう。
ミネラル摂取で一番いいのは普段から『良い塩を摂る』ことです。
食塩(いわゆる精製塩)は塩化ナトリウム以外のミネラルが含まれておらず、出来れば「完全天日塩」「平釜塩」といわれる天然海塩がベストですね。
「伯方の塩」や「赤穂の天塩」は再生加工塩といわれ、天然海塩とはまた違いますが、それに近い作り方です。
藻塩も少しお高いですが、良いと思います。
岩塩は形成させる過程でミネラルが抜け落ちるらしく、精製塩に近いようであまり日本人には合わないようです。
岩塩はヨーロッパではメジャーですが、あちらは水が硬水なのでも分かるように、水にミネラルが十分に含まれているから塩自体にミネラルが含まれてなくても問題ないのかも知れません。
とりあえず製法に「イオン交換膜」と書かれていないものの中で、自分に合ったものを見つけていくといいですね。
また、天然塩を使った自家製梅干しなどはミネラルだけでなく、疲労を解消するクエン酸が含まれているからいいと思います。
ちなみに今回のクライアント様にはその場で手許にあった塩飴を舐めていただきましたら、すぐに腎臓の硬さは解消しました。応急処置としては塩飴もいいですね!
これからどんどん暑くなってきますので、皆様も水分摂取とミネラル摂取、気を付けてみてくださいね!